内装に「塗り壁」を検討する訳

内装業経験者として、数々の一軒家を見てきて思う事ですが、内装に、壁の素材を選ぶ時「塗り壁」を検討の視野に入れてみるという訳についてのお話です。

「塗り壁」は、空気中の湿度の調整をするというメリットがあるということでご存じの方も多いと思います。
夏は湿度を吸収し、乾燥した冬は取り込んだ湿度を空気中へと調整すること。
又、抗菌効果を持っていたり、カビが発生しにくいことや、新築によくあるホルムアルデヒド等の有害物質も分解するなどの効果があること。
そんなことを勉強しました。
いずれの素材も、自然由来だということも気持ちよく感じます。
そして、壁紙より耐久性もあります。

素材には、主に「聚楽」「漆喰」最近では「珪藻土」などの種類が有名ですが、私は
どれも良い素材だと考えています。

ではインテリアとして考えた場合、和風になってしまうのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。聚楽や、漆喰は特にそう感じる方も多いと思います。
デメリットとして考えることはなく、意外と和洋折衷的なインテリアになるおしゃれ素材とも考えられます。
どの素材も洋風の装飾として不釣り合いにはならないと私は考えます。
どの素材が良いかは、素材感や、色、外観や家具の雰囲気に合わせて選ぶと良いでしょう。
選ぶ色や、職人さんに塗り方(模様)を依頼することで、雰囲気は洋風なお部屋とも調和します。
又、腰から下部分を板張りにするという方法で傷付きやすいところを補うことも出来ます。

おそらく、機能的に珪藻土が一番人気かと考えますが、価格的に予算が合うかというところでしょう。

本当のデメリットとして考えるなら、ホコリが溜まり易いことを挙げます。
聚楽の凸凹部分や、漆喰や珪藻土に模様を付けるとホコリが溜まることがよくあります。
コテを使って模様を付けられるとお話しましたが、反面その部分にホコリが引っかかりやすいのです。
柔かめの柄の長いほうきなどで定期的にさっとホコリを払うか、
出来るだけシンプルに、凸凹のない仕上げに施工して頂くかといったところでしょう。
ビニールクロスでも凸凹の模様が強ければ、その部分にホコリは溜まるものです。
特に吹き抜け等は、クロス貼りの壁でもホコリが溜まり易いです。

デザイン的に物足りないと感じる方は、先ほどのご案内のように腰板や、腰下にタイルを貼るなどの、メリハリを付けるデザインにすれば丈夫になる上、手を掛けてる感も出せるでしょう。調度品で飾らずとも十分ステキなお部屋ですよね。
きっと、安っぽくないおしゃれな内装になることと思います。

私が考える「塗り壁」はデメリットを超えるメリットがあると感じています。
又、枠などを付けると、悪くなったところ一面だけ塗り替えることも出来ます。
広い一面を塗るより簡単で、それにより目をごまかすことが出来る為、自分で塗ってみたりすると又楽しいですね。
内装に「塗り壁」を検討する訳は、これだけのメリットを考えてしまうからです。