一戸建てに対する自分の価値観と家族の生活

私は住み慣れた家を建てることにしました。私のこだわりも叶えられる注文住宅は建てる前から楽しみでなりませんでした。住んでみると失敗したと思う点が出てきたのです。

家づくりの一番は経済能力と、自分のこだわりたい部分でした。どうしても自分が一人になれる部屋がほしかったのです。
設計士さんのもってきた図面では、一階とつながる中階段でしたが、どうしても自分の部屋が欲しくて階段(一階は親世帯・二階は娘夫婦)をなくし、外の階段を使っての行き来のみにしました。
自分の部屋は壁に板をはり、カウンターのようなパソコンデスクをつくり、窓枠も自分の気持ちが落ち着く色、ちょっと変わったデザインにして、仕事のストレスから逃れる部屋を重要視しました。

実現は簡単でした。嫁が全面的に親を説得しました。
中階段はなく、親世帯と顔を合わせることもほとんどなく、自分の部屋で自由時間を満喫できる予定でした。嫁が妊娠し状況は一気に変わりました。
つわりが大変で食事や家事など親がするようになり、雨だろうが台風だろうが、年老いた親は荷物を運ぶために外の階段を利用しました。
嫁が寝室で寝込んだので、私の4畳ほどの無機質でさっぱりしていた部屋は、敷布団と毛布が置き去りにされ、洋服も床に散らばる状況になりました。
今ではやたら荷物が置かれ納戸の様です。子供が生まれ、親世帯に預かってもらうことが増えました。
雨であろうと雪であろうと、子供を抱いて外階段をつかって移動しうる状況です。自分の希望はかないましたが、生活面では家族みんなが苦労しています。

家は自分中心でなく、家族が住む家であり、そして家族が増えれば使い勝手は変わります。
長きにわたり家族が住みやすいように、気持ちが落ち着くように先を考えてみることも大事だと思います。

家づくりは健康と笑顔のためにあるものです。寒すぎても暑すぎても健康には程遠いですし、家族みんなが顔を見合わせて笑顔でいる家づくりをお勧めします。